「今でも愛してる!」体の痛みを訴える妻に頼まれ妻を殺害した夫(93) 裁判所の中心で愛を叫ぶ

93歳の夫が体の痛みを訴えていた妻に頼まれて殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた公判が千葉地裁で開かれている。
夫は「今でも愛しております」と語り、2人の娘は「父は追いつめられていた。ごめんなさい」と悔やんだ。
妻(83)への嘱託殺人の罪に問われているのは茂原市の無職の夫。家族によると、軽度の認知症という。

起訴状などによると、夫は2014年11月2日、自宅で妻から殺してほしいと依頼され、ネクタイで首を強く絞めたとされる。
夫は自ら110番通報。その後、妻は死亡。生前、「家族に迷惑をかけたくない」とメモを残したとされる。

検察側によると、妻は13年秋ごろから、急激に足腰が弱まった。次第に転倒を繰り返すようになったという。
夫妻は二人暮らしで、長女は頻繁に帰省して様子を見るようになった。14年10月には腰などの骨折が判明。「痛みで眠れない」。こう漏らしていた。

法廷での被告人質問や長女と次女の証言によると、東京・浅草の職場で出会い、結婚生活は60年余り。3人の子を持った。

長女は「父は付きっきりで面倒を見ていた」と語る。買い物、庭の手入れ、トイレの連れ添い……。料理も妻に教わったという。

「妻から『何もできない。苦しいだけ』と言われた。もう断れない」

夫は殺害を頼まれた時の心境をこう明かした。

最期、2人は添い寝をした。靴職人として働き、妻と知り合ったころを思い出した。昔話を続けた。「妻はニコニコしていた。とてもきれいだった」妻は介護サービスなどを受けるのを嫌がっていたという。長女は涙ながらに「私がもう少し気付いていれば。父にはおわびでいっぱい」と語った。

被告人質問の終わりに、佐藤傑裁判官から「どうすれば良かったですか」と問われ、夫は「冷静になるべきだった」と述べた。

17日の論告で、検察側は「殺害決意は想像を絶する苦悩だったと思うが、妻の弱音とも考えられて軽率」などと指摘し、懲役5年を求刑した。夫は「私がしっかりした男だったら上手な対応をとったと思う。言うことを聞きます」と語った。

判決は7月8日に言い渡される。(徳永猛城)
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