産経「瀬戸内寂聴さんは軍靴の音が聞こえると言う。自分には北京から聞こえるのですが」

記念日というのは、なかなか厄介な存在である。誕生日、結婚記念日、会社や学校の創立記念日などなど、一度ちょっとしたお祝いの会をやると、では来年も、となり、忘れたり、何もしなかったりすると叱られる。

▼個人でさえそうなのだから、国家の絡む記念日はさらに厄介だ。あさっては、日韓両国が戦後20年にわたった国交のない異常な状態を脱し、関係正常化に道を開いた日韓基本条約が調印されてから丸50年にあたる。
華やかに金婚式を開きたいところだが、そんな雰囲気になれないのは、ご存じの通り。

▼東京とソウルでそれぞれ記念行事が行われるが、安倍晋三首相も朴槿恵大統領も出席しない。いまと未来よりも慰安婦問題しか眼中にないような指導者にはため息しかでないが、それも50年前を思えば、大したことはない。

▼条約をめぐって日韓両国内に反対運動の嵐が吹き荒れた。韓国ではデモ隊と治安当局が衝突を繰り返し、朴大統領の父親は、戒厳令まで出して鎮圧した。日本でも北朝鮮が大好きだった社会党や進歩的文化人のみなさんが元気だったころ。
条約批准に反対するデモ隊が国会をとりまき、集会には全国で23万人(警察調べ)が参加した。

▼なぜ彼らは反対したのか。北朝鮮より先に韓国と国交正常化すれば、南北分断を固定化し、日本が戦争に巻き込まれる、という理屈からで「軍靴の音が聞こえる」が合言葉だった。

▼国交正常化後も日本は戦争に巻き込まれることはなかった。ただ、当時をよくご存じのはずの瀬戸内寂聴さん(93)はいまも「すぐ後ろに軍靴の音が聞こえている」とおっしゃっている。
お元気になられてなによりだが、抄子には「軍靴の音」は東京からではなく、北京から聞こえるのですが。
http://www.sankei.com/column/news/150620/clm1506200004-n1.html

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