「若手職員は野球部強制参加な」 千葉・大多喜町役場

約190人が働く千葉県大多喜町の町役場で、「30歳以下の男性職員は全員野球部に入る」という伝統が続いている。
肯定的な意見がある一方、採用直前まで知らなかった職員もおり、若手からは「野球をするため就職したわけではない」といった不満の声も上がっている。

ある若手男性職員は、採用直前の3月の説明会で初めて、30歳以下の事務職の男性は特別な事情がない限り、40年以上の歴史がある野球部に入る旨を伝えられた。寝耳に水の話に戸惑っていると、その場でユニホームやスパイクの採寸をされた。

この職員は「『入部は当然』という雰囲気があり、辞退すれば人間関係に支障が出るかもしれない、と入らざるを得なかった」と話す。今年度採用の事務職の男性8人も、全員が入部したという。

野球部によると、部員は現在28人で、このうち19~29歳が20人。部OBは、遅くとも約20年前には「若手は全員入部」の原則があったとし、別の部OBの30代職員は「『伝統だから』と、半強制的に入らされた」と振り返る。

例年夏に県内の町村が参加する大会があり、5月下旬頃から勤務後の練習が週3回程度行われる。仕事が残っていても職場にいる部OBらに促され、練習後に残業をこなす職員もいる。

前出の若手職員は「休日の練習試合も多い。町のため働こうと就職したのに、練習が負担で思うように仕事を進められない。
もっと早く知っていれば、別の職場を選ぶことも考えた」と話す。一方で、「別の課の職員と親睦を深められる」(20代部員)といった前向きな意見もある。

労働問題に詳しいベリーベスト法律事務所の金ケ崎絵美弁護士は「新入職員全員にユニホームの採寸をするなど、参加を事実上強制することは地方公務員法では認められていない」と警鐘を鳴らし、「自主的な活動として職員に入部をお願いするなら、事前に説明しておくことが望ましい」としている。

町総務課は「入部は強制していないが、若手がいると部が活気づき、上下関係も学べる」と説明し、「不満の声があるなら、部のことを知らせる時期を早めるなど、改善点があるかもしれない」と話している。
http://www.sankei.com/smp/etc/news/150620/etc1506200002-s.html

この記事へのコメント